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請け負った業者の担当者は自殺し、その担当者から賄賂を受け取り汚職に手を染めて問題を隠蔽していた浅倉達彦は、
無責任にも、すべてを投げ出し、東京の地方都市へと逃亡していた。
そんな最中、娘の香織を人質に、包丁を手にした高村燿子が浅倉家に立こもる。
高村燿子は香織を巻き添えにし、自分と達彦の関係に決着を付けるという。
家の周りは、報道陣、警察、近所の人々、篠田、香織を心配する智子や良介らが取り囲み騒然としている。
香織は矢崎の子供を妊娠していた。
その事もまた、達彦の子供を望んでも得る事の出来なかった燿子の浅倉家への憎しみを加速する。
事件を逃亡先でテレビのニュースを見ていて知った達彦は、香織を助ける為に自宅へと向かう。
だがその家は、達彦が隠蔽に手を貸したアザレアニュータウン以上の、とんでもない手抜き工事の塊だった。
自宅の前には大勢の報道陣が駆けつけていた。
警官の制止を振り切り自宅の中へ入った達彦は、燿子の一瞬のスキを付いて包丁を取り上げようとしたのだが、
その時、地震のような大きな揺れが襲い、揉み合いの中で、燿子に肩を刺される。
時を同じくして突入を敢行した刑事達の目の前で、燿子は孤独を嘆き、達彦に包丁を突き付けて刺し殺そうとした、あわやその瞬間…家はバキバキと音を立てて崩壊する。
崩壊する家屋の中「おうちも天国に持って行けそうね」そんな事を言って燿子の持った包丁が、達彦の胸に突き立てられるよりも一瞬早く、
何者かが燿子の背中にスコップを突き立てた。
篠田だ。
スコップなんかで人を突き刺せるのかはさておき、いよいよ天井から崩れ落ちる家の下敷きとなり燿子ばかりではなく、
篠田もまた命を落としたのであった。
あれだけの崩落事故で死者が2人だけというのも腑に落ちない話ではあるが、家は完全に崩壊し、達彦と香織、その他警察官達は全員、奇跡的に助かった。
その後、離婚した達彦と智子が元サヤに収まる事はなかったが、良介と香織の両親への思いやりに支えられ年に1日だけ、
「家族の日」と名づけた達彦と智子の結婚記念日に家族4人で集まる事を約束し、物語は幕を引く。
尚、香織は矢崎と結婚した。もちろん愛する矢崎との子を産み育てるつもりで。